- 贈与契約書の効力
- 配偶者も子供もいない叔母が亡くなりました。法定相続人は姪である私と甥である私の兄が二人いるだけです。私と叔母は生前、死因、負担等の条件のついていない贈与契約を交わしていました。内容は現金と土地を贈与するというものです。しかし未履行のまま、叔母が亡くなり、死後、全くの第三者A(私達も面識のある人)に全財産を遺すという内容の遺言公正証書が開示されました。その公正証書の中には、私達兄妹3人は、各々死亡保険金の受取人に指定してあると記されていました。納骨が終わり、遺贈を受けたAに、贈与契約の存在を示し、故人の債務として支払を求めましたが、Aは叔母の死後すぐに土地の名義変更をしてしまったので、土地は自分のものであると主張し、現金に関しては、相続税の支払に充てる為、支払えるものはないし、包括遺贈ではなく特定遺贈なので、マイナスの遺産である債務は放棄出来るので、法的に支払う義務はないと伝えて来ました。公正証書には箇条書きで①不動産②預貯金③現金④家財道具一式⑤会社の未収金⑥その他一切の財産をAに相続させると書かれていました。この様なケースの場合、本当に私は贈与契約の履行を求める事は出来ないのでしょうか?Aは和解金を支払ってもよいと言っていますが、金額は贈与契約に記された金額の10%程度です、不動産を売却すれば全額支払う事は可能で、かつ支払後も資産はAの元に残ります。手元に現金がないからという事で、この様な和解を求めてくる事に疑問を感じます。そもそも法的に支払う義務がなければ、和解を求める事自体、無意味であり、聞く耳を持たないのではないでしょうか?ご教示頂きたく、お願い申し上げます。
- 松元さん2009年08月21日
2009年08月21日
1.先ず、贈与の点ですが、書面による贈与は、当事者(贈与した人、これを受けた人)は撤回できません。(民§550の反対解釈)
質問では、その贈与が死んだときに発効する死因贈与か、そうではなく通常の贈与契約で単に未履行であったのか不明ですが、死因贈与ならば、その性質に反しない限り遺贈の規定が準用されます。(民§554)
2.次に、遺言によるAへの遺贈について考えると、Aは「特定贈与」なので、債務の支払義務はないと主張しているそうですが、遺言書には箇条書きで「①不動産②預貯金③現金④家財道具一式⑤会社の未収金⑥その他一切の財産」をAに相続させる(遺贈する)と記載されているということは、包括遺贈と考えられます。何故なら、①~⑤までの財産は例示的に挙げているのであって、要するに一切の財産を遺贈するという趣旨だからです。そして、包括受遺者は「相続人と同一の権利義務を有する」とされています。(民§990)したがって、Aには相続債務(相続財産中のマイナス分)を支払う義務があります。
3.以上でお分かりのように、あなたは、Aに対して贈与契約の履行を求めることが出来ます。土地は既にAに登記されていても、その登記は実体的権利に基づかないもの(無効)ですから、真正な登記名義回復(すなわち、あなたに登記を移転する)の登記をすることは可能です。但し、早くやらないと、Aがその土地を第三者に売却したりするとややこしくなります。
尚、生命保険金は受取人のもので、相続財産ではないとされています。
弁護士 山城昌巳
質問では、その贈与が死んだときに発効する死因贈与か、そうではなく通常の贈与契約で単に未履行であったのか不明ですが、死因贈与ならば、その性質に反しない限り遺贈の規定が準用されます。(民§554)
2.次に、遺言によるAへの遺贈について考えると、Aは「特定贈与」なので、債務の支払義務はないと主張しているそうですが、遺言書には箇条書きで「①不動産②預貯金③現金④家財道具一式⑤会社の未収金⑥その他一切の財産」をAに相続させる(遺贈する)と記載されているということは、包括遺贈と考えられます。何故なら、①~⑤までの財産は例示的に挙げているのであって、要するに一切の財産を遺贈するという趣旨だからです。そして、包括受遺者は「相続人と同一の権利義務を有する」とされています。(民§990)したがって、Aには相続債務(相続財産中のマイナス分)を支払う義務があります。
3.以上でお分かりのように、あなたは、Aに対して贈与契約の履行を求めることが出来ます。土地は既にAに登記されていても、その登記は実体的権利に基づかないもの(無効)ですから、真正な登記名義回復(すなわち、あなたに登記を移転する)の登記をすることは可能です。但し、早くやらないと、Aがその土地を第三者に売却したりするとややこしくなります。
尚、生命保険金は受取人のもので、相続財産ではないとされています。
弁護士 山城昌巳
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贈与契約

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高山先生、ご回答ありがとうございます。1度目の質問の補足です。 ...







